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2016/06/22

maison de F / suzu cuff shirts


前回のブログ以降、気が付いたら梅雨入り。

日夜、雨が降ったり止んだりと天候に左右されがちな今日この頃。

気温の変化も激しいため、おからだにはくれぐれもお気を付け下さい。


さて、店頭は初夏模様です。

半袖の服から薄手の羽織までが多数入荷しております。


SNS等でご紹介する前に店頭にて

販売させて頂いた服も多数御座います。


2016年 Spring/Summerよりお取扱のブランド

「 maison de F 」も気が付けば本日ご紹介する

一点のみの在庫とご好評頂いております。



上質な服をお求めの方に向けた本日のブログ。

長文では御座いますが、服が好きな方にとっては

読み応えのある内容かと思います。



' maison de F ' 2016 S/S

"suzu cuff shirts"のご紹介です。





maison de F

2016 S/S

"suzu cuff shirts"

¥24,000- +tax

cotton 100% / 錫(すず)

online shop




"細番手"の上質なコットン生地を用いた

着丈が長めの白シャツ。





"番手"とは糸の太さのことを表します。


生地を織り上げる際に用いる糸は、

太い糸を紡績するよりも、細い糸を紡績する方が難しく、

高級なシャツには細番手の生地が用いられています。


きめ細やかな細番手の生地は肌触りが柔らかく、

滑らかな袖通しです。


サイズは以下の通りです。
着丈86cm 身幅49cm 肩幅43cm 袖丈60cm 袖幅10cm


写真をご覧頂くと、前身頃より後身頃の方が

丈が長いのが伝わるかと思います。





サイドから見ると、裾が綺麗な曲線を描いております。


ボトムのポケットに手を入れる際のスリットでは無く、

裾をラウンドさせることで機能性と美しさを追求しています。




後ろから見た写真です。

背中にとられたタックがドレープを生み

上質な生地をより上品に魅せます。




肩には"ヨーク"があてられています。

"ヨーク"とは、肩の上部から肩甲骨にかけた切替部分を指します。


ヨークの切替を行うことで、

人の肩の曲線に沿うようになり、着心地が向上します。


また、袖通しの際などに一番負荷のかかる部分への

補強の面でも効果があります。




襟は曲線が美しいワイドカラー。


首元をすっきり映す襟の開きです。

襟羽は短く、180°以上に開いた襟が特徴的です。




"台襟"は、着用した際に心地よく首に沿うよう、

曲線を描いております。


"台襟"とは、襟と身頃をつなぐ帯状の部分です。

写真ではシャツの第一ボタンから横に伸びた切替を指します。


人間の首は曲線でできているため、

台襟が直線では違和感のあるフィット感となります。




襟の端っこを裏側から撮った写真です。


裏側の生地から1mmほど外に

段差の様に表側の生地が見えます。




同じ部分を表側から撮影しました。


裏側との縫い合わせた線が控えられており綺麗な表情です。

上質なシャツに共通する細やかに計算された美しさ。




シャツのボタンにはふっくらと厚みのある

高級な"貝ボタン"が使われています。


量産される樹脂などのボタンと違い、

一点ごとに表情のある貝ボタンは、

上品な艶が御座います。


白いシャツには白い貝ボタンが映えますね。




裾の始末を裏から見た写真です。

折り返しの幅が細く丁寧な作りです。




前立て部分の縫製部分の写真です。

参考として、定規を並べています。


見て頂くと、1cmあたりに9針ほど縫われているのが

見て取れるかと思います。


細やかな縫製は技術の証です。

丁寧に縫われているのがわかります。

また、見た目にも上品です。




脇の部分と袖の部分に注目してみます。

画面真ん中の、下から半分の縫い目が脇。

画面真ん中上部の、左上がりに縫われているのが袖です。


一般的なシャツは、

脇から袖までの縫製を一直線で縫い上げることで

縫う行程(コスト)を減らすことができます。


こちらのシャツは"袖の後付け"と言って

袖が後から縫われています。


袖の後付けは行程(コスト)は増えますが、

腕の動きに沿った立体的な袖になります。


文章での説明は少し難しいので

以下の写真をご覧ください。




後ろからシャツを見た写真です。


腕の曲がる角度(腕の付け根→ひじ→手首)

に沿って立体的な袖になっています。


人は自然に立つと肘が軽く曲がり、

腕がからだより少し前方に向いています。


袖の後付によって、袖も同じように

前に振ることになります。


これが、脇から袖まで一直線に縫われていると

袖は、「気をつけ」をした直立のかたちになります。


からだに沿った服は、タイトなシルエットでも

快適な着心地です。




脇と袖の同じ部分を裏から見た写真です。

細かい幅で丁寧な処理が施されています。




袖のカフ部分(表)です。




こちらは裏側の写真です。


"剣ボロ"が無いのが特徴的なカフです。

"剣ボロ"とは、袖先に付けられた切込みのことを指します。


また、両面に貝ボタンが見えます。




カフを開くと写真の様な雰囲気です。

袖にボタンホールが4つ御座います。




ボタン同士は根巻きの様なかたちで

縫い合わされています。





剣ボロがなく、ボタンで生地を挟みこむかたちです。

袖がすっきりとした印象です。







最後に大きな特徴が一つ。

"suzu cuff shirts"と名付けられたご紹介のシャツ。


カフ部分には写真の金属、「錫(すず)」が付属致します。





maison de F」と刻印の入った錫です。

可展性の高い金属でぐにゃりと曲げてかたちを変えることができます。





裏にはボタンが付いております。

取り付けた様子は以下より。





上質な白色のコットン生地に

錫の金属特有の光沢が映えます。




錫のカフはこちらのケースに入れてのお渡しです。



長々とご紹介致しましたが、

細部に宿るこだわりと、丁寧な服つくりが伝われば幸いです。




着用の写真は以下より。


Online Shopへは掲載致しております。



遠方の方などで、気になる方はお問合せ下さい。






しろ